用語解説集

米国内陸輸送

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米国の面積は960万平方キロメートル以上に及び、日本の国土の20数倍という広大なものですが、1869年に大陸横断鉄道が東部と西海岸を結んでから今日に至るまで、陸(トラック・鉄道輸送)、海(沿岸・内陸河川輸送)、空(旅客・貨物輸送)の様々な輸送手段が整備されてきました。

 

海運企業が第二次大戦後導入したコンテナ輸送は、1960年代から急速に拡大し、米国の内陸輸送にも大きな影響を与えました。コンテナ船導入以前は、船舶で輸入された貨物は港の近くで荷捌きされた後、トラックや鉄道で目的地に運ばれましたが、コンテナ輸送が普及してからは、港頭地区で荷捌きすることなく、内陸の鉄道・トラック基地や顧客の戸口まで輸送することにより、コストの大幅な削減が可能となりました。このページでは、コンテナ輸送を中心とした内陸輸送の現状と、海運企業や混載業者が提供する内陸輸送について説明します。

モード別輸送の現況

1. 鉄道輸送

鉄道による内陸向けコンテナ輸送は、主にダブルスタックトレインによって行われています。ダブルスタックトレインは、ダブルスタックカー(コンテナを2段積みして搭載出来る専用の貨車)を数十両連結するコンテナ専用列車で、西岸港と内陸の主要都市の間、または西岸港と東岸港の間を毎日運行されています。西岸港または東岸港から輸送されたコンテナは、仕向け地の鉄道ターミナルで貨車から下ろされた後、トラックで受荷主まで運ばれていきます。

2. トラック輸送

国土の広い米国では、州を超えた長距離トラック輸送が盛んです。国内にはInterstateという州間幹線道路網があり、港と仕向け地を結んでいます。しかし、海上コンテナのトラックによる遠距離輸送は、コスト競争力に劣ります。従って、西岸から中西部や東岸の仕向け地までの遠距離の輸送の場合、一般的には、シカゴやアトランタなど大量のコンテナを扱う拠点までを鉄道で輸送し、そこから目的地までトレーラーで運ばれます。

海運会社や混載業者の内陸向け輸送サービス

海運会社や混載業者は、鉄道やトラックを利用して、IPI(Interior Point Intermodal=西岸港から内陸のポイントまで運ぶ輸送モード)、MLB(Mini Land Bridge=西岸の港から東岸またはメキシコ湾岸の港までを輸送するモード)さらにRIPI(Reverse IPI=東岸港経由内陸ポイントまで運ぶ輸送モード)などの方法によって混載貨物やFCL貨物の内陸向け輸送を行います。

1. 混載貨物

混載業者は、様々な小口貨物を仕向け地別にコンテナに積み込みます。そして、揚げ港や内陸のCFSでコンテナを開梱(Devanning)し、個々の受荷主が引き取りに来るのを待ちます。また、契約によっては、貨物を混載業者が手配したトラックに載せて受荷主の戸口まで届けるサービス(Door Delivery)も提供します。

2. コンテナ単位(Full Container Load = FCL)の貨物

FCL貨物の場合、運送人はCFSで貨物を開梱する必要がないので、顧客のニーズに応じて、内陸の鉄道またはトラックのターミナルで引き渡すことも、そのまま受荷主の戸口まで輸送することもできます。

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