用語解説集

コンテナ輸送に関する港の設備

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コンテナターミナルとその周辺の付帯施設について

1960年代に入ると、コンテナ専用船の普及を見込んだ日米欧の主要港の港湾当局や港運業者は、コンテナ船の荷役のためにコンテナ・ターミナルを計画し急速に整備を進めました。コンテナ・タ-ミナルは、文字通りコンテナ船が着岸し、コンテナの積み下ろしをするために特化した専用の港湾施設ですが、このページでは、コンテナ・ターミナルに加えその周辺に設置されるコンテナ関連の付帯施設について説明します。

1. コンテナ・ターミナル

コンテナ・ターミナルの役割は、コンテナをコンテナ船に積み下ろしをする機能と、輸出コンテナをコンテナ船に積み込むまで、また下ろしたコンテナを荷主に引き渡すまで、一時的に蔵置しておく機能があります。後者はしばしばコンテナヤード(CY)と呼ばれます。蔵置という機能から派生して、食品などの輸入には欠かせない食品検査や動物の検疫を行うエリアが用意され、蔵置中も電力の供給を必要とするリーファーコンテナの為に、電力を供給するプラグを設置したエリアもあります。

 

コンテナはターミナル内ではどのように蔵置されているのでしょうか。

 

敷地内の岸壁に近いエリアには、コンテナをスムーズに船側に移動できるよう、輸出貨物を積んだコンテナが蔵置されます。そして、敷地の出口に近いエリアには、船から下ろされ荷主が引き取りに来るのを待っている輸入コンテナが蔵置されるのが一般的です。このように、一見雑然としたコンテナ・ターミナルも、扱うコンテナの数量やコンテナ船の入出港のスケジュールを勘案して、効率的な荷役ができるよう、様々に工夫したオペレーションが行われています。

2. コンテナ・フレート・ステーション(CFS)

CFSは混載業者にとって最も重要な港湾施設です。

 

小口貨物を輸出する際、荷主はCFSに輸出貨物を搬入します。輸出貨物は通関を済ませてから搬入することも、また搬入後に貨物をコンテナに積み込むまでに通関を済ませることもできます。いずれの場合も搬入時には小口貨物として、そのままコンテナに積み込んでも輸送に耐えるよう梱包がされていることが必要で、この検査はコンテナ搬入時に貨物を搬入したトラックのドライバー立ち会いの下に行います。貨物搬入後のダメージは運送人の責任となりますので、CFS搬入時に貨物の状態を検査し確認することは非常に重要な作業です。

 

輸出貨物はCFS内で、あらかじめ決められた仕向け地別の蔵置エリアに置かれます。貨物をコンテナに積み込むことをバンニング(Vanning)と言いますが、危険品等の特殊な貨物を除いて、バンニングの前日には積み込まれる貨物がすべて搬入され、どの貨物をどのコンテナに積むか、また、どのような順番でどの様に積み付けるか決定します。

 

バンニング当日には、前日作成したどのコンテナにどの様に積み込むかと言う計画表(Vanning Plan)に従って、貨物がコンテナに積み込まれていきます。CFSの作業には幾つかの制約があります。まず、CFS内の作業は専らフォークリフトで行うので、扱うことの出来る貨物のサイズや重量はCFSごとに制限があります。従って、荷送人は、どの程度のサイズや重量の貨物を運ぶことができるか、個別に確かめておく必要があります。

3. バンプール(Van Pool)

バンプールは、空コンテナの蔵置場所です。多くの場合その施設の中に、コンテナの修理を行うエリアや、リーファーコンテナの機器の検査や調整などを行う施設(メンテナンスショップといいます)を備えています。また、船社によっては、空コンテナの引き渡しや返却をコンテナ・ターミナルではなく、バンプールで行うこともあります。

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