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積み付けの実際

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混載貨物をコンテナに積み込む作業の流れと注意点

混載事業にとって、多くの顧客から集めた貨物をいかに整然と効率的にコンテナに積み込むかということは、採算を向上させるだけでなく、輸送中に貨物が移動してダメージが発生することを防ぐためにも、非常に重要なポイントとなります。ここでは、混載貨物をコンテナに積み込む作業の流れと注意点について説明します。

CFS Cutまで

コンテナに貨物を積み込む作業をバンニング(Vanning)、コンテナから貨物を下ろすことをデバンニング(Devanning)と言いますが、混載貨物は、顧客によりCFSに搬入され、CFSで船積み予定船ごとにまとめてバンニングされます。多くの混載業者は自社ではCFSを持たず、港運業者の運営するCFSと契約を結び、輸出貨物では、引き受けた貨物を保管しコンテナにバンニングする一連の作業、輸入貨物ではコンテナヤードで引き取ったコンテナ積みの貨物をCFSまで運び、デバンニングの後、受荷主が貨物を引き取りに来るまで保管します。

 

船会社がCYで輸出コンテナを引き受ける締切日をCY Cut日、CFSが本船ごとに混載貨物を引き受ける締切日をCFS Cut日といいますが、混載業者はCFS Cut日に、顧客から受けたBooking明細を集計してCFSに積み込み予定貨物の明細として送付します。CFSでは、搬入された貨物とBooking情報を突き合わせて、未搬入の貨物のないことを確認し、バンニングプランを作成します。

バンニングプランの作成とバンニング

顧客から集めた様々な貨物を、少ないコンテナ数で、かつ、貨物ダメージが発生しないよう効率良くバンニングするために、集まった貨物を各コンテナに事前に割り振り、貨物をバンニングする順番を確定するバンニングプランを作成します。

 

混載貨物のバンニングの際に考慮すべき事柄を列挙します。

 

貨物の特性

・木枠梱包をした機械などは、その貨物の上に他の貨物を積むことが出来ないことがあります。このような貨物を「段積み禁止貨物(段禁貨物)」と言い、コンテナ内でこの貨物の上のスペースは空間(Dead Space)となってしまいます。運賃を設定する際は、空間部分の不積み部分を補填すべく、通常の貨物の運賃に一定の料率を割増して運賃を設定します。

 

・機械などの重量物は、コンテナ内で重心が片寄らないよう積み付け場所に配慮します。また、安定的にコンテナに蔵置されるように、ラッシング(固縛)の方法を事前に検討し、スムーズなバンニング作業が行えるようあらかじめ準備しておきます。

 

・長尺貨物は、積み付け自体に困難を伴う場合もあます。二台のフォークリフトの連携作業でバンニングを行うなど、手間と費用がかかることもあります。このような貨物は、揚げ地でのデバンニングのしやすさを考慮することも重要で、多くの貨物を積み込むという効率の追求とは相反する要素でもあるため、運賃設定の工夫や、スムーズに荷役を行うために正確に荷姿や貨物のサイズを把握しておくことが求められます。

 

バンニングの実際

・コンテナへのバンニングの際は、積み込んだ貨物の個数や、バンニング自体が適正に行われたことを記録に残すために、第三者機関(検定協会)の検査員が立ち会って貨物の検数(Tally)が行われ、荷役時の損傷の有無を確認し、損傷等があればTally SheetへRemarkとして記載されます。

 

・輸送中に、荷崩れを生じさせ、または、貨物が航海中の揺れで移動して隣接する貨物にダメージを生じさせないよう、貨物を木材や角材を使って固定(Shoring)をします。

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